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インプラント

インプラントとは何でしょうか?

それは人工歯根と言われるもので、歯のなくなった部位に純チタン等で作った歯の根に変 わるものを埋め込み、本来の歯の代わりをさせるものです。

どのような時にインプラントが必要なのでしょうか?

義歯(入れ歯)が合わない、あるいはブリッジにする為に隣り合った健全な歯を削らなければならない時、などがその主な適応となります。次の何れかの項目に該当する方は、インプラント治療をお考えになってよいと思われます。

  • 義歯が合わなくて痛い。
  • 歯がグラグラと動き始めた。
  • 人前で食べたり、笑ったりする時に、義歯を入れていることがとても気になる。
  • 歯が抜けて気になる。
  • 義歯が動いてしゃべりにくい気がする。
  • 義歯を入れているために、ゴルフや水泳等のスポーツをする時にどうも上手くい かない。

等が考えられますが、ご自分の病状を専門医に相談されることをお勧めします。

インプラントは大変でしょうか?

インプラント治療自体は、非常に高度な技術を必要とします。更に、顎の骨や残存歯 (残っている歯)の状態が、インプラントに適さない場合もあります。しかし、十分な審 査を行った上で、インプラントに適していると診断されれば、治療の成功率は非常に高いものになります。インプラント治療を受ける上で、ぜひとも患者さんにご理解いただきた いことは、以下の点です。

  • インプラントを健全に保つためには徹底した口腔清掃が必要なこと。
  • 歯科医の求めに応じて、定期審査を受ける時間的余裕があること。
  • インプラント治療では、完成までに数ヶ月かかること。

具体的な方法は?

実際の治療について、いくつかの例を見てみましょう。
まず最初の例は、1本欠損の場合です。純チタン製のフィクスチェア(これがインプラ ントの本体です)を1本使用します。

  • (1)
    フィクスチェアを欠損部位の骨中へ埋め込みます。表面の歯肉をもとにもどして、3ヶ月から6ヶ月の間そのままにします。この期間にオッセオインテグレイションと言う現象が生じます。これは1950年代に、スウェーデンのブローネマルク博士によって発見されました。一定の手術条件が整えば、骨とチタン表面が生物学的に結合することがあきらかになりした。
  • (2)
    数ヵ月後、フィクスチュァ表面の歯肉に小さな切開を入れ、アバットメントを装着します。これはフィクスチュアと新しい人工歯をつなぐ、非常に重要な役目を持った装置です。様々なアバットメントが考案されていますが、フィクスチュアは基本的に同一のものを使用します。
  • (3)
    アバットメント装着後1-2週目に、人工歯の型取りを行います。

表情や残っている歯の状態に合わせて、出来るだけ自然な歯の状態を回復します。
以上が、基本的なインプラントの術式です。次に、いろいろな応用方法を見てみましょう。

  • いわゆるブリッジの応用例です。隣り合う天然歯(自分自身の歯)を傷つけることなく、人工歯を完成することが出来ます。

  • 更に、顎の骨の条件さえ整えば、臼歯部の欠損にも応用する事が出来ます。

  • いわゆる総入れ歯には、次の二通りの方法があります。左は完全固定式のもの、右はフィクスチェアをすくなくして(通常、下顎に用います)これに金属 バーを結合させ、従来の義歯を動かなくさせる方法です。後者の方法は、アメリカ連邦薬務局より安全性が確認され、もっとも信頼度の高いインプラントと言われています。

実際のインプラント治療の進め方は?

それは人工歯根と言われるもので、歯のなくなった部位に純チタン等で作った歯の根に変わるものを埋め込み、本来の歯の代わりをさせるものです。

1. 検査

顎や歯の状態をレントゲンやCTで精査します。又、糖尿病やアレルギーがある場合は、内科医との共観の上で、治療が行えるか否か決定します。喫煙者や骨粗そう症の方は、治療が出来ない場合があります。その上で、顎の骨のどの部位にどのくらいの長さのフィクスチュアを埋め込むかを決定します。

デンタルインプラントまたは人口歯根

2. 一次手術

インプラント成功のための最も重要な手術です。通常局所麻酔で行いますが術後、腫れや痛みを伴います。しかし、適切な鎮痛剤により、痛みを最小限に押さえることが出来ます。更に総入れ歯の方は、術後1週間ほど義歯の使用は出来ません。

骨と一体化したチタン製人工歯根

3. 二次手術

一次手術から3-6ヵ月後、アバットメントをフィクスチュアに結合します。この際も、局所麻酔が必要ですが、一次手術に比べてきわめて簡単で、腫れや痛みもほとんどありません。

アバットメント、粘膜貫通部品

4. 人工歯装着

二次手術の後1-2週間して、歯型を取り新しい歯を作ります。

人口歯冠 アバットメント

5. インプラントの管理

通常の歯ブラシやデンタルフロスを使用して、丁寧にインプラント周囲や義歯を出来れば毎食後磨いてください。3ヶ月ないし6ヶ月に一度、歯科医師による定期点検が必要です。

インプラントにかかる費用は?

今のところ、全てのインプラントは残念ながら健康保険の適用外です。
歯の欠損状態や フィクスチュアの本数、更に、義歯の種類によってかかる費用は異なります。

概ね、40万円から250万円近くの費用がかかります。
歯の治療費としては莫大ですが、スウェー デンにおいては既に35年の臨床実績があり、信頼度は極めて高いと考えられています。又、わが国においても、高度先進医療の一つとして認められております。正確な診断のうえで、治療にかかる費用を決定します。

インプラントが成功しないことはあるのでしょうか?

ブローネマルク志木のインプラントは、もっとも確実な方法と考えられております。しかし、100%の成功率ではありません。フィクスチュアの生着率は、95%から 98.5%と言われています。即ち、100本中、1.5本から、多い場合5本の脱落 があることになります。どの様に精緻な計画をたてても、100%の達成は今のところ なされていません。技術面でまだまだ改善の余地があるのも事実です。

しかし、この生着率の報告は過去約30年間にわたって、世界中のいろいろな施設から提供されたものです。30年間に人の歯は、実はもっとも高い率で脱落しています。生着率の面から見ると、ブローマルク式インプラントは天然歯より長持ちすると考えられています。又、フィクスチュアが脱落したからといって、それがすぐにインプラントの失敗につながるわけではありません。

さらにインプラントの成功にとって重要なことは、フィクスチュアの上部に取り付ける人工の歯の部分の強度です。フィクスチュアの骨との結合力は極めて強く、又、顎の咬む力も強いために、そのあいだの人工歯が壊れる場合があります。この場合は、通常人工歯の部分だけを作りなおします。

結論として、成功率はたかいものの100%完璧とは言えません。しかし、非常に信頼性の高い治療法です。

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    令和2年4月12日(日)に予定しておりました研修会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため令和2年9月6日(日)に延期とさせて頂きました。
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